シミとは、一般的には肌内部で過剰に生成されたメラニン色素の沈着によって起こるものを指します。加齢とともに皮膚再生のサイクル、ターンオーバーが鈍ってくると、古い角質と同様、沈着した色素が肌に蓄積されてシミが色濃く浮き出てくるようになるのです。

また、肝斑（かんぱん）もシミの一種です。ホルモンバランスの乱れやストレス、肌への刺激が原因とされています。肝斑は30〜40代の女性に多く、出産後に発症することも多いです。頬骨あたりに左右対称の黄褐色が現れます。最初は薄いシミですが、徐々に広がっていきます。

シミの種類

老人性色素斑（日光性黒子）

主に中年以降（20代で現れることもあります）に、顔や手、手首に出現する境界のはっきりした褐色のシミです。

炎症後色素沈着

ニキビやさまざまな皮膚炎の後にくすんだ色が残ることでできるシミです。顔であれば、通常半年から1年で落ち着くことが多いですが、炎症があったり紫外線に晒されたりすると長引くことがあります。

肝斑

30〜40代女性の発症が多く、眉毛上部や両頬、口唇上部など、境界のわかりにくい薄いシミとして出現します。他のシミと合併することがあり、見極めが難しいので必ず医師に相談しましょう。

脂漏性角化症

中年以降に全身に増えてくる褐色から黒色でイボ状に隆起するもので、老化現象の一つです。皮膚がん（基底細胞がんや悪性黒色腫など）と紛らわしいことがあります。

雀卵斑（そばかす）

多くは遺伝性で3歳ごろから見られ、思春期に目立つようになります。シミの原因であるメラニン色素をつくる機能が亢進する色素失調の一つです。顔面正中部（鼻・頬）を中心として左右対称に数ミリの茶褐色の細かいシミが発生します。

後天性真皮メラノサイトーシス（ADM）

20歳以降の女性で多く見られるシミです。灰青色から褐色で額外側や頬骨、鼻翼（小鼻）などに左右対称に見られることが多いです。シミ病変が真皮と呼ばれる深い部位にあるため、肝斑との合併例も多いです。

あざには先天性のものや後天的に浮き出てくるものがあります。表皮に現れる毛細血管などの異常症状で、青あざ（太田母斑・異所性蒙古斑など）、茶あざ（扁平母斑）、黒あざ（色素性母斑）の多くはメラニン色素が原因です。症状の深さにより表皮に出現する色が異なってきます。赤あざ（単純性血管腫）は、毛細血管の拡張異常によるものです。いずれも自然消滅することはなく、治療が必要となります。治療はレーザー治療が主流になっています。
カウンセリングを行い丁寧に診断致しますので、長年あざにお悩みの方は一度ご相談ください。

タトゥー（刺青）は、皮膚にインクもしくは墨汁を注入することで、半永久的に模様や色を残します。真皮内に注入するため、年齢を重ねても消えることはありません。若い頃に勢いやファッション目的で入れたタトゥーも、数年後、転職や結婚、子供の成長に伴いタトゥーを消したい・目立たなくしたい場合は、医療機関での治療が必要となります。